ローディングアンテナ(中間部負荷型)の設計方法 ―スミスチャートを使ったローディングコイルと調整ヒゲの算出―
Initial released on QSL.net: 29 Dec. 2005 Republished with revision: 23 June 2024 A loading antenna design using the Smith chart. 1. Introduction ローディングコイルを使ったシングルバンド,2バンド,あるいはマルチバンドアンテナの設計を解説した資料はあまり多くありません.シングルバンドの場合はとにかく作ってみるという手法もとれますが,マルチバンドで使ったり,あるいは設置スペースの制約条件があるような場合は闇雲にやるわけにもいきません. 本稿は2バンド用ローディングアンテナを題材に,スミスチャートを使ってローディングコイルの位置とインダクタンス算出,エレメント長の決定,調整ヒゲの長さ決定を解説することを目的としています. なおスミスチャートの使い方については本稿の範囲外ですので,別途適当な資料でご確認下さい. 2. 設計例題 設計例題として,Fig.1に示すような3.5/10MHz用水平アンテナエレメントを考えることにします.これはダイポールの片側と考えて下さい. Fig.1 A 3.5/10MHz horizontal element (half of a dipole antenna). エレメント\(L_1\)と\(L_2\)はそれぞれ10MHz用エレメント,3.5MHz用エレメントを,\(L_H\)は10MHz用の調整ヒゲを表しています. 本設計例ではすでに\(L_1\)と\(L_2\)の長さがそれぞれ7.42m,4.2mに決まっているものとします.\(L_1\)の長さは10MHzの\(\lambda / 4\)として,\(L_2\)は私のアンテナ展張スペースの制限で決まった値です. したがって,この設計例で求めるのはローディングコイルのインダクタ値とヒゲの長さ\(L_H\)ということになります. 3. ローディングコイルのインダクタンス エレメント\(L_1\)及び\(L_2\)がすでに決まっていますので,これを3.5MHzでの電気長(何波長に相当するか)に変換してスミスチャートにプロットします. \(L_1\)は計算すると\(0.087 \lambda\)となりますので(\(7.42 \...